2024年度 日本口腔インプラント学会認定講習会
2024年7月21日(日)新宿NSビルにて総合インプラント研究センター主催の日本口腔インプラント学会認定講習会で「インプラントのメインテナンス」と海外論文の読み方について講演をしてきました。
昨年、一昨年は「インプラント周囲疾患の治療と予防」に関して講義をしていましたので、今回は新しい話題に関しての講義だったため、新たに今日現在、世界で発表されているすべての「インプラントのメインテナンス」に関する海外論文を調べ、主要な論文をすべて読みましたので、講義の準備はとても大変でした。
昨年、European Federation of Periodontology(EFP: ヨーロッパ歯周病連盟)からインプラント周囲疾患の治療に関して、ガイドラインが発表されており、その内容を中心に講義を組み立てることになりました。
このガイドラインの中では”Primoradial and primary prevention of peri-implant disease”というインプラント周囲疾患の予防についてのシステマチックレビューが発表されています(Carra et al. 2023 J Clin Perio, 50(Suppl.26), 77-112.)
2015年にEFPがインプラント周囲疾患の治療に関するガイドラインでは”Primary prevention”(1次予防)というタイトルのインプラント周囲疾患のマネージメントに関して発表されたポジションペーパーから進化し、”Primoradial”(0次予防)とタイトルに付け加えられているように、疾患を発症させないためにどうしたらいいか?というところまで議論の対象を広げています。
インプラント周囲疾患のうち、インプラント周囲炎(歯における歯周病がインプラントの周りに起きた状態)は今日においても”管理するのが困難な問題”であり、”治療に予知性がない”とされています(Newman & Carranza`s Clinical Periodotology and Implantology 14th edition (2023))。そのためインプラント周囲炎を発症させない、発症を予防することは、とても大事なことです。
海外論文を常に読むことが少ない、若手歯科医師の人たちに海外論文をどのように見つけて、どのように読み、世界最新の情報を得て、それを臨床に活かしていくか、伝えることができてとてもよかったです。