Prevention
1本でも多くの歯を残すために

お口の健康は、身体全身の健康にも大きく関わります。予防歯科は歯や歯周組織をむし歯や歯周病といった病気から守るだけでなく、糖尿病や認知症、心臓疾患など全身疾患の予防効果があります。
「歯が弱いから虫歯になりやすい」「年をとると歯茎が痩せてしまう」のようにおっしゃる患者様がいらっしゃいます。しかし、プロフェッショナルケア(歯科医院でのケア)と、セルフケア(歯科衛生士の指導の下に行われるご家庭でのケア)によって、歯周病も虫歯も予防することが可能です。
プロフェッショナルケアは主に3か月に1度の来院、セルフケアは毎日の歯ブラシにコツを加えることで十分な予防効果を上げることができます。

歯科医院で行う
プロフェッショナルケア
⚫︎PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)の略で歯科医師や歯科衛生士などの国家資格を持つ専門家が、専用の器具や機械を使い、歯と歯の間・歯と歯肉の境目などの普段落とせないところの汚れや歯垢(プラーク)、歯石を徹底的に除去する処置です。

⚫︎より最適で効果的な予防方法をご提案できるよう、歯・歯茎の状態、お口の細菌の数などを検査(口腔検査・唾液検査)します。専門の器具を使用したスケーリング(歯石取り)や一人ひとりのお口の状態に合わせた、歯みがきの仕方や選び方をご案内します。
ご自宅でできるセルフケア
⚫︎歯みがきは一番身近な予防歯科です。しかし、毎日欠かさずに歯みがきをしている方でも、無自覚な磨き癖があったり、合わない歯ブラシを使用していることで磨き残しができてしまっている方も多いです。また、力の強さなどが原因で、気付かないうちに歯や歯茎を傷めていることもあります。

⚫︎フッ素は歯質の強化、虫歯の発生や進行を防ぐ効果がありますので、フッ素入りの歯みがき剤の使用、歯ブラシが届きにくい歯と歯の間のとても小さな隙間の汚れは歯間ブラシ・フロスの使用、マウスウォッシュやデンタルリンスは殺菌力があり、予防に有効です。
定期検診のご案内
悪いところを削って、詰め物をして、再発すれば、また削る。今までの歯科治療は、やり直しの治療です。しかし、一度削った歯は元に戻りません。繰り返すうちにどんどん歯を失うことになります。

当院では、健康な歯を大切にする「予防歯科」に力を入れています。歯とお口の健康を積極的に守るため、歯科医院でのプロによるお口のお掃除と、歯科医や歯科衛生士の指導に基づいた毎日の歯磨きで、「予防歯科」を実践しましょう。徹底的な清掃で、歯の表面がツルツルして気持ちよく、着色汚れが落ちるので、歯の本来の白さを取り戻すことができます。
『お口のことで後悔して欲しくない』
予防歯科には、私たちのこんな想いが込められています。
「お口のことで後悔している方が非常に多い」
▷2012年の55-74歳を対象にしたある雑誌の調査では、健康に関して後悔したことの第1位が『歯の定期検診を受ければよかった』でした。

▷2018年の15-79歳を対象にした歯科医師会の調査で、75.7%の方が『もっと早くから歯の健診・治療をしておけばよかった』と回答しています。
日本には、お口のことで苦労し、後悔している方がたくさんいらっしゃいます。実際の治療の現場でも、患者さんから直接お言葉をいただくことも多々あります。
もしかしたら予防歯科に興味を持ち、このページを読んでいるあなたもその1人かもしれません。

これは予防歯科と早めに出会っていれば、しなくてよかった後悔かもしれません。
または予防の重要性を伝えきれなかった私たちの力不足だったのかもしれません。
どちらにしても、これはとても悲しいことです。

せめて当院で出会えたみなさんには、そんな後悔をしてほしくないと心から願っています。
将来後悔しないためにも、私たちとともに予防歯科を始めてみませんか?
「全ての方が予防歯科の対象」
予防の意味はご存知ですか?
風邪の予防、インフルエンザの予防接種、熱中症の予防…予防という言葉に接する機会は多いと思います。
予防には、病気を未然に防ぐという意味だけでなく、実は病気を早期発見早期治療することや、治療とリハビリによる病気の悪化防止、再発防止も含まれています。

つまり、お口の中の『病気の発生を防ぎ』、それでも発生してしまった病気に対しては『早期に発見し、最小限の治療を行い』、その後『メンテナンスで再発防止と進行抑制を行う』のが予防歯科です。
お子様やむし歯がない方だけが行うものではなく、今むし歯がある方、すでに治療した方、全ての方が対象となります。
「お口の中にとって、予防はとても重要です」
他の疾患に関しても予防は非常に重要ですが、歯科では特に予防・メンテナンスが強調されています。

その理由は、むし歯や歯周病で『① 失ったものは二度と元に戻らず』、ほとんどが『② 無自覚に進行し』、治療をしても『③ 再度治療する可能性が高い』からだと考えられます。 またこの3つの特徴が、お口の中で後悔する理由にもつながっているのではないでしょうか。
① むし歯で失った歯、歯周病で失った骨は二度と元には戻らない
詰め物や入れ歯などの人工物で補うことはできますが、天然の歯を取り戻せるわけではありません。歯周病に関しては再生療法という治療法もありますが、それでも完全に元に戻るということはありません。 むし歯も歯周病もある意味身近になってしまっているために、小さな問題と捉えて歯科受診を先延ばしにしがちですが、実際には取り返しのつかないことがお口の中では起こってしまっています。
② むし歯も歯周病も自覚症状なく進行する
『むし歯=痛い』というイメージはありませんか? 実はむし歯は、痛みなどの自覚症状がなく進行してしまいます。自覚症状が出る頃には、すでに手遅れになっていて、神経を取る処置が必要な場合もあります。 これまでに、どこも痛くもなかったのに、検診で数本むし歯があると指摘された経験があるのではないでしょうか? その経験がむし歯は痛みなく進行することを裏付けているかもしれません。

歯周病は、重度に進行しても痛みがほとんどありません。そして、痛みがないまま抜歯に至ることもあります。 歯を失う原因の約70%がむし歯と歯周病です。その2つが症状もなく進行してしまうのです。 『痛みがない=健康な状態』では決してありません。
③ 一度治療しても、再治療をする可能性が高い
お口の中は、みなさんが想像しているよりも過酷な環境です。 1回10kg程度の力で、1日約2,000回噛み、硬いものから水のような液体、熱いものから冷たいもの、酸っぱいものが食事という形でお口の中に入り、さらに多量の細菌に毎日さらされています。 そのような環境ですから、治療後時間が経つと、治療で入れた人工物は当然劣化し、変形したり、壊れてしまうこともあります。またむし歯が再発する場合もあります。一度治療したら、その状態を一生保つことは非常に困難です。 そして再治療を繰り返すと、最終的には歯自体を失うことになります。
「予防歯科では以下のようなアプローチができます。」
「① 二度と元に戻らない」
お口の中、生活習慣などのリスクを把握し、清潔に保つことで病気を未然に防ぐ

「② 無自覚で進行する」
定期的なチェックで状態を確認し、必要に応じて治療に移行する

「③ 再治療する可能性が高い」
問題が発生していないかチェックを行い、長持ちするような対策を行う
これが歯科で予防歯科が強調される理由です。 『病気の発生を防ぎ』、『早期に発見し、最小限の治療を行い』、『メンテナンスで再発防止と進行抑制を行う』予防歯科は、歯を大切にするうえではとても重要なのです。

むし歯も歯周病も、お口の中で起きている病気ですが、その影響は全身へと拡散していきます。お口のこと、身体のことで後悔しないためにも、“今”始めることが最善の結果を得る最良の方法です。